


ご依頼は、お客様が通っていらっしゃる美容室の店長さんにお花を送りたいというものでした。実はこのお客様、美容室の開店記念日に「SAINT JORDI FLOWERS」のお花をお送りいただいて以来、毎年ご注文をしてくださっている方です。初めてご注文いただいたのが5年前で、今回が5回目になります。
毎年工夫をしながら、ご一緒にデコレーションのプランを考えさせていただくのですが、今年は少し事情が違っていました。お客様の通われていたサロンは仙台にあり、今回の震災で被災されてしまったのです。
よくよくお聞きすると、お店は無事だったとのこと。いろいろと困っていることはあると思うけれど、こんな時だからこそお花を贈りたいというお気持ちをお客様は強く抱いていらっしゃるようでした。そこで、私からいくつかご提案しながら、今回のプランを考えていきました。
出来栄えは、満足のいくものになりました。そして、私自身の想いも込めて丁寧にアレンジしてお送りしました。
そして、お客様から後日いただいたメールがこちらです。
「とてもロマンチックでステキなデコレーションをありがとうございました。店長さんには、「世界にひとつだけの花ですね」ととても喜んでもらえました。震災から復興に向かうなか、店長さんだけではなくスタッフの皆さんのことも元気づけることができ、私自身にとっても印象深い贈りものになりました。ラミネートのメッセージはお店の控室の壁に貼ってくださっているそうです。私の想いをお花に載せて届けていただけたのだと思っています。
サロンは、ガスの復旧に一ヶ月半かかりました。それでもなんとか開店し、沿岸部などで被災されたお客様たちも足を運ばれているそうです。日の丸カラーのフラワーデコレーションがサロンを訪れる方たちを癒しているとおっしゃっていただきました。
いつも、私のワガママなオーダーを聞いていただいて本当にありがとうございます。心のなかで描いたイメージ以上のものを作っていただけるので、こちらも毎回楽しみです。また、よろしくおねがいいたします。」
本来なら、デコレーター自身がポーターというスタイルで直接お花をお届けできれば、感動はよりひろがったかもしれません。
それでも、このメールをいただいて、ご依頼されたお客さまと受け取られた店長さんをお花でつなぐことができたと確信しました。
お客様の想いが形になって、それが誰かの心に届くということ。この素晴らしい作業のお手伝いをさせていただいたことが何よりの誇りです。
このエピソードにはもう少し続きがあります。
お礼のメールから一週間後、お客様からふたたびメールが届きました。
「今日、久しぶりにサロンを訪ねてみました。デコレーションしていただいたお花に、さらにたくさんの反響があったのでお伝えします。サロンにいらっしゃるお客様が、「今までに見たことがないくらい素敵なお花」「元気づけられる」「気持ちが明るくなる」と口々におっしゃっていかれるそうです。報告してくださる店長さんも嬉しそうで、依頼した私も誇らしくなりました。これもみな、デコレーターさんのおかげです。被災した方々の心をパッと明るくしてくださったこと、本当に感謝しています。こんな時だからこそ、やはりお花は必要なんです。本当にありがとうございました。」
デコレーションにひそかに込めた私自身のエールも届いたと実感した瞬間です。
これほどまでに喜んでいただけるとは思いませんでしたので、私自身とても嬉しく感動しました。単にお花の美しさだけではなく、想いを伝えるというこの仕事にあらためて思いを深くしました。
