これまでの日常はいかに特別で、幸せに満ちた人生だったか。 過去の“足跡”をたどり、未来へ歩んでいくワンストーリー

今回ご紹介するのは、『高宮庭園茶寮』にてウェディングプランナーを務める豊島瑞希(とよしまみずき)が取り組んだひとつの物語。
結婚式のコンセプト“足跡”をベースに創り上げた、愛されるおふたりがさらに愛されるようになった結婚式を紐解いていきます。

担当者ご紹介

高宮庭園茶寮 ウェディングプランナー 豊島瑞希
2017年に中途入社。産休・育休を経て、現在は高宮庭園茶寮にてママウェディングプランナーとして日々奮闘している。

親御様の愛、そして仲間との絆

穏やか、という言葉がぴったりのおふたり。出会った人、一人ひとりにリスペクトを持って接することができる、素敵なお人柄です。新婦様はモデルとして撮影にご協力いただいた過去もあり、スタッフ一同親しみのある方でした。

少しお話ししただけでも、親御様から愛されて育ったことが伝わります。親御様からの影響で写真が好きになり、その趣味を通して出会ったと語ってくれました。親御様や趣味仲間とはかけがえのない時間を過ごし、たくさんの影響や感銘を受けて、さらに繋がりが広がっていったそう。この素敵な記憶に注目し、導き出したコンセプトは“足跡”。

   

過去、現在、未来の足跡をたどっていく

“足跡”には、こんな想いを込めました。
『おふたりの人生の足跡を、ゲストとともに振り返っていく。そしてゲスト自身も“ふたりの人生に影響していたのだ”と感じてもらい、愛おしく思ってほしい。結婚を機に、新たな足跡をつけていくおふたりを見守ってほしい』。

結婚式一日を通して、過去、現在、未来の足跡をたどっていく。
ひとつの進行で終わらせるのではなく、じっくりと時間をかける感動の曲線を描きました。

   

“足跡”—過去を思い返していく

メモリーロード

幼少期から結婚するまでの道のりを過去として体験するため、メモリーロードを設置。おふたりの写真を大きなポスターにして飾り付け、チャペルへと誘導します。

   

封筒のガーランド

チャペルに入ると、中には封筒のガーランドが。準備期間中に用意したゲスト一人ひとりへの手紙です。ゲストがおふたりにとってどんな存在か、これまでにつけてくれた足跡がいかに大切かをしたため、思い出の写真も同封。封筒の表にも新郎様が撮影した写真を貼り、写真展のような空間を演出しました。

チャペルの照明はいつもより少し暗めにし、司会者からは静かなトーンで「新郎新婦とのこれまでの物語を思い返して、手紙をご一読ください」とアナウンス。挙式の前に手紙を読んでもらい、これまでのことに思いを馳せながら式に臨むことで、より感情移入してもらう狙いです。

   

親御様から新郎新婦のプロフィール紹介

披露宴前半も、過去をたどる時間に。プロフィール紹介は、名前の由来や、小さいころはどんな子だったか?など、親御様目線でおふたりの紹介をしていただきました。司会者ではなく、ずっとそばで見守ってくれていた親御様だからこそのエピソードも。最後にはメッセージも添えていただき、会場がほっこりとしたひとときに。

実はこの演出、会場が騒がしくならないよう、ゲストの皆さんに集中して聞いていただけるよう、親御様にご登場いただいたという狙いがあります。また、おふたりの「両親も主役になってほしい」という想いも込められた、特別な演出となりました。

   

“足跡”—現在、今この瞬間を残す

フォトシュシュコンテスト

これまで大切な瞬間を撮影し続けてくれたゲストと一緒に、フォトシュシュ*コンテストを開催。今、この瞬間の足跡をゲストにつけていただきます。(*フォトシュシュとは、スマートフォンでゲストが撮影した結婚式の写真を、スワイプするだけでスクリーンに映し出せる演出のこと)

   

アンサーレター

ゲストからおふたりへのお返事も、結婚式のストーリーに組み込みます。親御様からの“アンサーレター”は、披露宴終盤に朗読していただきました。愛にあふれた内容と親御様の声に、会場があたたかな空気に包まれます。

職場の同僚や友人からの“アンサーレター”は、一人ひとりから受け取りながら退場することに。コンセプトに即した選曲である、星野源の「光の跡」を流しながら。披露宴中に書いてもらったにもかかわらず、手紙の裏表にびっしりと書かれたメッセージに心を打たれた、と後におふたりは語ってくれました。

“足跡”—そして物語は未来へと続いていきます。

   

「結婚っていいな」と言ってもらえた一日に

家族からは「親族のみの結婚式や、写真だけでもいいんじゃない?」と言われていたというおふたり。それでも結婚式をやりたいと決断し、家族や友人を大切にする気持ちを再確認できたと語ってくれました。周りの人が喜んでいるのを見て、今後も喜ばせたい、そのためには何ができるか考えるようになった、と素敵な変化も。さらに、おふたりがいない場で友人同士の新たな交流が始まり、人の輪を繋げるきっかけにもなったそう。おふたりを含めた集まりも増え、愛されるおふたりがさらに愛されるようになった感動の結婚式となりました。

   

おふたりからのメッセージ

結婚式に迷っていたら絶対にやってほしいです。結婚式をしてふたりの間に大きな変化はありませんが、小さい変化が重なって絆が強まりました。友人の一人は当日の様子をnoteにまとめてくれて、自分たちよりも詳細に記録を残してくれたこと、そして普段は恥ずかしくて言えないことも伝えてもらえて嬉しかったです。あっという間の出来事でしたが、幸せで濃いひとときでした。

   

プランナー・豊島の想い

おふたりと一緒に創り上げた結婚式の進行は、とてもシンプルなもの。特別なサプライズがあったり、衝撃的な出来事があったりする訳ではありません。しかし、おふたりが過ごしてきた日常がいかに幸せであったかを、ゲストと一緒に振り返る特別な時間でした。結婚式から数日、数ヵ月経ってもこの日のことを語り、残したくなる。そんな一日になったと感じます。おふたりの人生に寄り添って、その人生に忠実な結婚式を創っていく。プランナーとして大切にしていることが、皆さまにも伝わると嬉しいです。

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