教授たちが経験したことのないような会にしたいんです!
大学の謝恩会というのは特殊で、招く側の学生にとっては一生に一度ですが、
招かれる先生方にとっては、ほぼ毎年のこと。
だからこそ思いが込められた言葉でした。
ゼミでのこと、授業、大学生のお嬢さんのいる教授もいらっしゃること…。
思い出をたどります。
「さぁ、仕掛けましょう」
仕掛けの第一弾は、謝恩会の数日前。
学生たちと相談して作成した全学生の顔写真を載せたミニアルバムを、
学生に替わり教授にお渡ししに行きました。
私どもも、大学や先生方の雰囲気をつかむ目的もあったからです。
「毎回、学生にメッセージカードを書くのですが、こうやって顔がわかるとイメージもわきますね」
謝恩会当日。
教授の控え室には、学生たちの感謝が書かれたメッセージカードを山のように積んでおきました。
タイミングを見計らって、私たちはわざと慌てて入り、
終了後に渡すつもりだったと持ち去ります。
もちろんこれも仕掛け。
なあんだ、というがっかり感と、サプライズを先取りした優越感を味わった教授は、
どこかうきうきしながら会場に向かわれたはずです。
まずは、よくある段取りで進めます。
学生の挨拶や祝辞、しばしの歓談タイムなど、、。
この後、花束贈呈で最後の挨拶…、という流れ。
しかし、ここからがむしろ本番です。
学生の次に入って来たのは、花束を抱えた先生方のご家族たち。
奥様、お子様たち、例の大学生のお嬢様も登場です。
思いがけないゲストに先生方は大わらわ。その様子を見て、学生たちは大喜び。
内緒で家族にかけあった学生たちの小粋な演出に、百戦錬磨の先生方ももう降参です。
長いようであっという間の時間が過ぎ去り、BGMはいつしか「蛍の光」にかわります。
散会の言葉はあったものの、クラスごとに先生方を囲んで学生が集まったまま。
会は終わろうとしません。
先生方が用意したカードを学生に手渡していくと、
今度は学生たちから、それぞれの顔をプリクラにして貼った色紙が渡されます。
それは、控室にあったものではなく別に仕立てたもの。
さらに、それぞれ好きな色の革のペンケースも添えてと、
感動の余韻に包まれた和やかな時間が流れます。
「いやぁ、まいったよ。こんな謝恩会、初めてだったよ」。
その目は少し潤んでいるご様子。
しかし、私どもは更なる感動をそこにご用意したのです。
それは、会が始まる前に教授が見た、学生からの飾らない感謝の言葉であふれるカード。
それを収めるケース。さらに、感謝のコメントがオリジナルのラベルに書かれたワイン。
「もしかしたら、はじめにあのカードを見せたのも?」
私どもは首を横に振りましたが、この時だけは口元がほころびそうで苦労しました。
教授の向こうで力強くガッツポーズを
私どもに送ってくださっている学生たちが見えたものですから。
impression story
バンケットにまつわる感動エピソードをご紹介いたします。
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