ポジティブドリームパーソンズ(以下、PDP)では、「記憶」「曲線」「連鎖」という3つの要素を組み合わせて、サービスを提供することで、偶発的ではなく必然的に感動を創り出す「感動の技術化」に取り組んでいる。New Normalに向けては、レストラン ユニットマネージャーの瀧澤が中心となり、ITシステムを活用してお客様情報を一元管理し、蓄積したデータを全社に共有しながら、スタッフのサービス力を向上させようという試みを進めている。
瀧澤「これまではメンバー個人の力に依存し、お客様に提供するサービスの質が均一でないという課題がありました。そこで、システムを活用したCustomer Relationship Management(CRM)を導入し、各店舗でお客様の好みや来店履歴を入力して情報を可視化・共有できるようにすることで、全社的にサービス力の向上を図っています。“サービスマンとして当たりにやるべきこと”をデジタルの力を活用して取り込んでいこうという考えです」
システム構築にあたり、瀧澤が最も考慮したのは店舗のメンバーの“使いやすさ”だったという。
瀧澤「店舗でのオペレーションを考慮し、システムに入力する項目を極力絞り込みました。できる限りメンバーの負担感を軽減し、システムの導入を実現させたいと考えていたからです」
瀧澤はシステムの導入の順番にもこだわり、元々メンバーの熱量やサービスレベルの高かったチームから働きかけを開始。施策は順調で、全国の店舗でCRMの導入を進めているという。
瀧澤「お客様に来て良かった、居心地がいいと感じていただくためには、店舗に立つ我々がしっかりとお客様の情報をキャッチして、先回りしてサービスを提供していくことが大切です。今では属人的になって見えていなかったことが顕在化したことで、私自身が“初心”に帰ることができました。次の段階ではCRMで蓄積したデータベースを活用して、とるべきアクションを検討し、“感動の技術化”と紐付けていきたいと考えています。そして各店舗やメンバーの個性とデジタルを掛け合わせて、感動を生んでいきたいですね」
PDP WAY SYMPATHY 2020.09 vol.12
ROAD TO PDP 「for NEW NORMAL STYLE "RESTAURANT"」
コロナ禍においても、「すべての人に“感動”を」。レストランのメンバーが主体となり、New Normal時代に向けた6つの取り組みが進んでいる。プロジェクトの中心メンバーである瀧澤 和哉(たきざわ かずや)、能重 新(のうしげ あらた)、新井 悟(あらい さとる)によるPDPの未来を創る挑戦とは−−
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ザ ブリンク オールデイ ダイニング 新井 悟(あらい さとる)
【写真左】ザ ランドマークスクエア トーキョー レストラン ユニットマネージャー瀧澤 和哉(たきざわ かずや)【写真右】ロサンジェルスバルコニー テラスレストラン&ムーンバー ユニットマネージャー能重 新(のうしげ あらた)
お客様に料理やサービスを通じて新しい食体験を提供したい
コロナウイルスの影響が出始めてすぐに、PDPの各レストランではテイクアウトやデリバリーなどのサービスを順次スタートさせてきた。一方で、長期的な目線で既存店舗のコンセプトを再検討し、New Normalを見据えて、リニューアルさせる取り組みを進めている。中でも、愛知県名古屋市の「The Living Room with SKY BAR(以下、LR)」は、新井が中心となり店舗コンセプトを再意義し、メニューをリニューアルさせたレストランだ。
新井「New Normalにおいては、多くの方にとって外出が特別なものになります。だからこそ、レストランはおいしいものが食べられるだけではなく、“訪れる”ことを目的にしてもらえるような場を提供しなければならないと考えました」
まず、新井は単に料理だけに焦点を絞るのではなく、「新しい価値」に主眼を置き、店舗コンセプトを再構築することから始めた。少しずつメンバーと対話を重ね、世界のレストラン業界の動向やグルメ情報などを共有しながら、リニューアルの骨格を固めていった。
新井「実はLRは、人気のある店舗で以前からしっかりと集客できていました。そのためリニューアルする必要性を感じていないメンバーが大半。うまく回っているのに一旦壊して考え直すという手間のかかる作業にみんなを巻き込んでいくのは正直大変でした。丁寧にコミュニケーションを図って、お客様に新しい価値を提供していきたいという思いを具体策を提示しながら真剣に伝えました」
新井たちが、試行錯誤しながらアイデアを出し合いたどり着いたコンセプトが「Gastronomy-Healing Life(ガストロノミーヒーリングライフ)。L Rは東地中海の中東料理をモチーフに、東海4県の食材をメインに使用した「モダンオリエンタル料理」を味わえるレストランとしてリニューアルした。
新井「 “ヒーリングライフ”という言葉には、おいしい料理やお酒、明るいおもてなしで、お客様に心と体を癒していただこうという思いを込めています。これからもアンテナを張って、PDP発信で食体験を通じてお客様の知的好奇心をくすぐるようなことを仕掛けていきたいです」
オンラインを活用してメンバーの成長機会の創出につなげたい
一連の取り組みの中で、レストランサービス ユニットマネージャーの能重はメンバーを対象にしたプログラムを進めていった。
能重「コロナウイルスの感染拡大の影響でPDPの運営するレストランも休業を余儀なくされ、メンバーの多くが自宅待機という状況になりました。会社の他の仲間やレストランサービスに触れる機会も少なくなり、緊急事態宣言が解除されて店舗が再開しお客様にご来店いただいた際に、コロナ前以上に質の高いサービスを提供できるのかという危機感を感じていました。現場を離れたことによるメンバーのモチベーション低下も懸念されたため、eラーニングを活用して、メンバー同士をつなぎ、学びの機会を作れないかと考えました」
能重は手始めに全国のマネージャーへのヒアリング調査を開始し、現場の課題を把握。さらに現場メンバーにヒアリングを重ね、課題を踏まえた講座テーマを決定した。講師はテーマに応じて社内の専門性を持つメンバーに依頼。2週間にわたる日程で、5回のオンライン講座の開催を実現させた。
能重「参加は任意だったのですが、5回の講座全てを受講したメンバーもいて、終了後には積極的に質問が寄せられるなど、モチベーションアップに一定の効果があったと感じています。講師を務めたメンバーからは、後輩に自分の持つノウハウを伝える良い機会になったという声が上がり、メンバー同士をつなぐこともできました」
今回の取り組みをきっかけとして、能重はさらにメンバーの成長機会を創出していきたいという。
能重「今回の取り組みで“オンライン”という手段を取り入れたことで、学びの機会を創出できたことはもちろん、普段は離れた場所で働くメンバー同士をつなぐことができるとわかりました。今後は動画を活用したり、Web会議システムで全国のメンバーをつないだりする仕組みを作りたいと考えています。メンバーがモチベーション高く働くことで、PDPのサービスはもっと向上できると思うので、引き続き行動していきます」
全ての取り組みに共通する思いは「PDPらしさ」の追求
ITを活用してお客様情報を管理・共有するシステムの構築、サービス内容を進化させてレストラン全体の質を高める取り組み、そしてメンバーの成長機会を作ることでモチベーション向上を図る試み。それぞれ内容は異なるが、瀧澤、新井、能重の取り組みに共通しているのは「PDPらしさ」を大切にしたいという思いだ。
瀧澤「どのようなロードマップでプロジェクトを進めていくかについて検討した時に、“システムありき”よりは、“お客様への思いありき”でシステムを作っていくのがPDPらしいと感じました。システム化は、ともすればマニュアル化と同義で語られてしまいます。けれどマニュアル化のような文脈にはしたくありませんでした。属人的ということと表裏一体かもしれませんが、“思い”ありきのシステムを作り上げることにこだわりました」
新井「LPのリニューアルを通じて、“お客様と一緒に感動作り上げる”レストランを作るためには、前提条件としてコンセプトを明確にすることが重要だと実感しました。お客様に提供するサービスの基本であるコンセプトが定まっていることが、メンバーに主体的に動いてもらうことにもつながります。メンバーのお客様への思いとコンセプトが掛け合わさることでPDPらしさが生まれると思います」
能重「PDPの良さの一つは、ベンチャーマインドを持っていることです。ただ、組織や事業が大きくなるほどに、取り組みを行なったり情報を共有したりするのに必然的に時間がかかってしまうということがありました。New Normalの時代においては、飲食の現場の状況は日々変わり、PDP全体で柔軟に対応するためには情報共有のスピードも重要になります。eラーニングで組織の縦軸を超えて、横同士が“働く場所”に関係なく繋がることができる道が見えたことで、さらにスピード感を持ちながら、PDPらしいサービスを磨いていける手応えを感じています」
「With Customer, For Customer」。その思いを変えることなく、お客様と一緒に感動を創り上げるためにPDPの「New Normal Style」を模索する3人の挑戦は続いていく。
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